双寿会からのお知らせ

高砂部屋がやって来た(その1)

向かって左から、朝弁慶さん、朝乃丈さん。ご利用者も、ご家族も、スタッフも、みんな楽しそう

向かって左から、朝弁慶さん、朝乃丈さん。ご利用者も、ご家族も、スタッフも、みんな楽しそう。(クリックで拡大)

この夏は急な仕事やらイベントやらが立て続けに入って、机に向かって文章を書く時間がとれないありさまでした。そうこうするうちに、9月になってしまい、あの猛暑はどこへやら、連日の雨続きですっかり秋めいて参りました。

ということで、遅ればせながら、この夏のイベントや出来事について、時間の許す限り文章にしてアップロードしたいと思います。

【おことわり】

掲載写真はプライバシー保護の観点から、一人一人の許可を取る必要があるのですが、あまりにも人数が多いこと、ひとびとの楽しそうな表情をできるだけ伝えたいことの2点からぼかしは最少にとどめました。ご了承ください。

なお、「顔をぼかしてほしい」あるいは「掲載しないでほしい」というご要望がございましたら、対応させていただきますので、お手数ですが、その旨、お知らせください。

 

平成27年7月27日、月曜日。

横綱白鵬が35度目の優勝をはたした大相撲名古屋場所千秋楽の翌日。高砂部屋の2人の力士が豊寿苑を訪問してくれました。

これは、日頃、外出機会の少ない高齢の人たちのために音楽家や力士などが施設を訪問するという朝日新聞厚生文化事業団ゆうゆうビジットの企画。新聞で告知を発見し〝ダメもと〟で応募したところ、ラッキーにも当選! 今回の訪問になりました。

イベントの1ヶ月ほど前に朝日新聞厚生文化事業団の担当者の方々が、打ち合わせと下見を兼ねて当施設を訪ねて来られました。

なんでも、高砂部屋の訪問は「ゆうゆうビジット」の中でも最も応募件数が多いイベントとのこと。

そんな高い競争率の中から選んでもらえた以上、当施設のご利用者や家族・関係者だけでなく、夏休み中の子どもたちや地域の人たちにも呼びかけて、〝行事の豊寿苑〟の名に恥じないような、地域ぐるみの楽しく盛大なイベントにしようではないか、と心に誓いました。

会場に予定している1階の食堂には、直径約6メートルの八角形の吹き抜け天窓があります。私はここに本場所を思わせる巨大な吊り屋根を作りたいと考えました。車イスのご利用者が本場所の会場に出かける機会はまずないだろうと思い、せめて、ここで大相撲の雰囲気を疑似体験していただきたかったのです。満員御礼の垂れ幕も、懸賞幕もホンモノそっくりに作ってみました。

製作中の吊り屋根。「満員御礼」の垂れ幕、懸賞幕、青赤自黒の房はビニールひも製

製作中の吊り屋根。「満員御礼」の垂れ幕、懸賞幕、青赤自黒の房はビニールひも製(クリックで拡大)

問題は、吹き抜け空間で屋根をいかに安全に(しかも材料費をあまりかけないで)吊り下げられるかということでした。この点について、施設の営繕をしているデイケアのドライバーさんと話し合った結果、駆体(くたい)は竹で組んで、屋根は遮光ネットを張って軽量化することに決まりました。

ドライバーさんの手によって駆体が日々、組み上がってくるにつれて、そのあまりの出来映えのよさに舌を巻きました。テキスタイルや小物担当の女性スタッフたちも、デザインとディテール製作担当の私も彼に後れを取るまいと懲りまくりました。こうして、当初の予想をはるかに上まわる立派な吊り屋根が完成しました。

見てください。この立派な吊り屋根。とても竹製には見えません。(クリックで拡大)

見てください。この立派な吊り屋根。とても竹製には見えません。(クリックで拡大)

そして、7月27日を迎えました。

(続く)

2015.09.25 | 地域交流