年も押し迫った平成26年12月26日。
豊寿苑、今年最後のイベント「もちつき大会」をおこないました。
スタッフの中で臼と杵で餅を搗いた経験がある者はほとんどいません。
厨房から熱々の餅米が蒸し上がってきたら、これをすかさず石臼に投入します。
餅を搗く前に、餅米を杵で臼に押しつけしっかりとこねまわします。これは腰を入れないとできない作業なので、もっぱら私とベテランの元運転手がおこないました(地味!)
そのあと、いよいよ見せ場の餅搗きです。
返しの役は、数少ない餅搗き経験のある女性スタッフが担当。ところが、出てくる男性スタッフはどいつもこいつもへっぴり腰でフニャフニャ。
見るに見かねて、餅搗き役に女性スタッフが名乗りを上げました。これをきっかけに、次々と女性スタッフたちが餅搗きに参戦。
多少腰が引けていますが、男性スタッフたちに比べれば、勢いと元気さがあってサマになっていました。応援していたお年寄りのみなさんも大盛り上がり。その間も、男子たちは「ヨイショ 」の掛け声(ならぬ脱力的なつぶやき)で場を涼しくしてくれました。
「はじける女子」と「草食系男子」。
豊寿苑の女性上位の縮図がそのまま再現されました。
搗き上がった餅は餅取り粉をまぶした板の上に運ばれます。これを女性スタッフたちが顔を粉まみれにしながら和気あいあいと丸餅や花餅用の長餅に仕立ててくれました。
そして、三臼めで、スタッフのあまりに腰の引けた搗きっぷりに業を煮やした男性のご利用者が、臼のところに現れ杵を手に取ると、やにわに車イスからスクッと立ち上がったではありませんか!
施設ではずっと車イスで過ごしておられた方です。あわてたスタッフが介添えに付きましたが、その見事な搗きっぷりに周囲から喝采が沸き起こりました。
すると、我も我もと殿方連が名乗りを上げました。介添え役のスタッフはヒヤヒヤしながらもうれしくてたまらない様子でした。
こうして搗き上がった餅は、残念ですが、お年寄りのみなさんに食べていただくわけには参りません。
その代わりに、伸ばして約1㎝幅のきしめん状にした紅白餅を小さくちぎって、木の枝に巻き付けて、飛騨高山の名物、花餅(もちばな)を作っていただきました。
ところで、きょうは平成26年12月30日。豊寿苑の仕事納めです。
今年1年、たいへんお世話になりました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
よいお年をお迎えください。
2014.12.30 | 歳時記