
Poison & Medicine ブログ 毒と薬
2025.7.23
豊寿苑
エッセイ
盛夏の豊寿苑を彩るゴーヤのグリーンカーテン!

豊寿苑の玄関と施設長室と事務室は真西に面しています。
そのため、夏が来ると強烈な西日にさらされ、暑いやら、まぶしいやらで仕事になりません。
そこで15年近く前から、西の窓サッシ全体をゴーヤでおおう緑のカーテンを始めました。

すると、効果抜群!
カーテンなしでも部屋には日が射さず室温も快適になりました。


部屋の照明を落とすと、ゴーヤの葉の緑が白い壁を柔らかく染め癒やし効果があります。
昨年までおもに面倒を見ていた高齢のスタッフが引退したことから、今年からフェンスのデザイン/製作/設置、ゴーヤの育成/管理は、ほぼわたし一人でやっています。
フェンスは施設長室前が高さ3.6メートル、幅4.3メートル。事務所前が高さ3メートル、幅2.4メートル。骨格はおもに竹を組んで作りました。

昨年までは一つのプランターに二株、これを全部で8つ置いていました。しかし、今年は1プランターに1株とし、これを5つに削減しました。16株が5株になったわけです。
減らしたのは建物軒下のプランターで育てるには、株同士の密度が高すぎ、かえって生長を阻害すると考えたからです。

日中35℃を超える猛暑日は、朝はあんなにも生き生きと繁っていたゴーヤの葉が午後3時半を過ぎる頃にはすっかり萎えてしまいます。

そこで、1日1回の水やりを朝晩2回にしました。
午後5時前後にプランターいっぱいに水を与えると、夜中にしっかり水分を蓄えて、朝には元の姿に戻っています。
わたしはほぼ1日おきで、早朝の20kmランニングをしていますが、朝晩1日2回の水やりは、この時期、絶対に欠かせません。
日の出前にスタートして午前6時半頃、ゴールしたその足でグリーン・カーテンに向かい、約10分かけて水やりしています。

ついでに、熱のこもった自分の手足にもホースで水をジャンジャンかけています。

ゴーヤは早朝に黄色い小さな花をたくさん咲かせます。
これらにミツバチやらアシナガバチやらが集まってきて受粉させてくれます。
だから、前日夕方の水やりは、植物が花を咲かせる体力を付けさせる大切な作業なのです。
朝、水やりの後、大きくなったゴーヤの実を、壁にハシゴをかけて収穫します。
写真の通り、今朝の収穫は全部で10個。

スタッフが出勤する時間前にタイムレコーダーのそばに置いておくと、あっという間になくなっています。

じつは、豊寿苑グリーン・カーテンは、89年に東京都庭園美術館で開かれた『フンデルトワッサー展』で衝撃を受けて以来、あこがれてきたオーストリア出身の芸術家、フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー Friedensreich Hundertwasser (1928 – 2000) の世界観と美意識を自分なりに現実化したものです。

いまでこそ「グリーン・ビルディング」が注目されていますが、30年前に豊寿苑を建てたときには緑化による省エネルギーや環境保全といったほとんど発想はなかったですもんね。