
Poison & Medicine ブログ 毒と薬
2025.10.16
豊寿苑
イベント
5年越しの悲願『豊寿苑盆踊り大会』
2020年に始まった新型コロナのパンデミックにより、『豊寿苑夏祭り』を筆頭に、当施設の“売り”ともいえたおもだったイベントやレクリエーションが中断を余儀なくされました。
あれから5年。
重症化のリスクが弱まったことから、かつてのような活気を取り戻そうと、わたしがプロジェクト・リーダーとなってイベントやレクリエーションの再構築に取り組みました。
新たなクラブ活動としては、インストラクターの大野美穂さんによる「いきいき体操」、小牧民踊協会の万木訓子(ゆるぎのりこ)さんを講師とする「民謡おどり教室」が4月からスタートしました。

8月20日(水)、「民謡おどり教室」の成果を披露するイベントとして豊寿苑1階ホールにおいて『令和7年豊寿苑盆踊り大会』をおこないました。
『豊寿苑夏祭り』は、地域住民との交流に重きを置いて、屋外に櫓を組み、夜店も出して、盛りだくさんのイベントを夜間おこないました。

これに対し今回の企画は「盆踊り」にのみ絞って、一般からの参加なしで、平日屋内で開催でした。
サポーターに、踊り手として小牧民踊協会から7人、太鼓叩きとして和祝(わいわい)太鼓から若手3人が駆けつけてくれました。

演目は「民謡おどり教室」で練習した次の5曲。
「炭坑節」「郡上節」「名古屋ばやし」「新小牧音頭」「ダンシングヒーロー」
当日は、利用者約75人、スタッフ約15人。これに小牧民踊協会と和祝太鼓のみなさんを合わせると約100人になりました。
ホールの中央付近に高さ約40センチ三畳敷きの高台の上に太鼓を設置し櫓とします。そのまわりに二重に踊りの輪をつくります。
車イス中心のご利用者は、その輪を取り囲むように円形の位置についてもらいました。(下図参照)


踊りには私を含め、浴衣や半被姿のスタッフも大勢参加しました。
輪になって踊っていると、座ったまま両手を動かし踊っていたり、歌や拍手で合いの手を入れていたり、私に手を振ってくださったり、心から楽しんでおられるご利用者の姿が次々と目に飛び込んできました。


なかには、じっとしておられず、立ち上がり、あるいは車イスの状態で、スタッフが付き添って踊りの輪に加わる方もいました。
「踊る阿呆に見る阿呆」とはよくいったもので、単純なフリをくり返しながら体を動かすうちに我を忘れ(=トランス状態)集団的熱狂に身を投じることから生まれる一体性にしあわせを感じます(=エクスタシー)。

”ハレ”と呼ばれる、こういった非日常的経験は、単調に流れがちな施設での日常(=”ケ”)に風穴を開け、人びとの心の風通しをよくする効果があります。
その効果を実感できた充実の1日でした。