今年の「桃の節句」は、当苑の和室に、防護服、マスク、手袋、アクリルパネルなど、新型コロナウイルス感染対策のための備品が山積みだったことから、ひな壇が飾れませんでした。
いくらコロナ対策のためとはいえ、ご利用者の方々におひなさまをお見せできなかったことを深く反省しました。
「端午の節句」を前にして、和室奥の壁沿いに備品の段ボール箱を天井高く積み上げパープルの幕で目隠し。
こうして飾り付けたのが、写真の五月人形です。外には今年も鯉のぼりが踊っています。
みなさんに喜んでいただけて、苦労して飾ったかいがありました。
2021.04.23 | 歳時記
5月でいったん収まったかに思えた新型コロナが、7月に入って再び感染拡大。
『豊寿苑夏祭り』はじめ、歌ったり、声を上げたり、大勢の人たちが集まるイベントが次々と中止になる中、面会が制限され刺激のない日常を送られているご利用者の皆様に少しでも喜んでいただけたらと、今年は例年とはちがうかたちで『地蔵盆』をおこないました。
豊寿苑の庭園には、天道・人道・修羅道・餓鬼道・畜生道・地獄の六道を表している「六地蔵」と、松の木の根元に合掌する一体のお地蔵さんがおられます。
『豊寿苑地蔵盆』は、毎年7月24日前後に、屋外のお地蔵さまのお召し替えをして、まわりに風車を飾り、お供え物をしています。同時に、屋内で大勢が輪になって念仏を唱えながら大きな数珠を回していく「百万遍」と呼ばれる行事をおこなっていました。大きな数珠玉を握って回すことにはリハビリの意味合いもありました。
ところが、今年は新型コロナの感染防止のため「百万遍」は中止。
屋外はこの暑さですから、限られた方しかお参りいただけません。
ならば、いっそのこと、民話の「かさ地蔵」にならってお地蔵さまの方から会いに来ていただこうと思いつきました。
六地蔵は無理でも、合掌地蔵ならキャスター付きの土台に乗せれば動かせます。ただ、そのたびごとに台車に乗せて動かすのはたいへんだから、『地蔵盆』の期間中は豊寿苑の建物内で過ごしていただくことにしました。そのための「宿泊所」として地蔵堂をドライバーの安形さんに特別に作ってもらいました。
地蔵堂は、1階食堂の目立つ場所に安置され、車イスで移動できる方はこちらでお参りしていただきました。
ねたきりでほとんどベッド上で過ごされておられる方や、認知症のため移動範囲が制限されている方にはお地蔵さまの方からお伺いしました。
ねたきりの方には、お一人お一人のベッドを訪ねてお参りいただいたり、触っていただいたり(コロナ対策としてはいけないのですが)しました。すると、不思議なことに、普段はほとんど表情が変わらない方が柔和な顔つきに変わってきたではありませんか! お地蔵さまはすごい!
認知症の階を訪ねると、たちまちお地蔵さまの回りに人だかりができました。
みなさん、思い思いにお経を唱えたり、お地蔵さんを擦(さす)ったり撫(な)で回したり、真剣に願いをかけたりと大人気でした。
コロナ禍では、イベントも「神仏に頼る」しかないんでしょうか?
2020.08.28 | 歳時記
9月22日。医療法人双寿会「敬老会」。
古希、喜寿、米寿、卒寿などの節目を迎えられたご利用者に対し、双寿会より祝い状と記念品をお渡しした後、花柳和蓉香一門のみなさんによる日本舞踊を鑑賞いただきました。
じつは和蓉香は私の妹で、日本舞踊を始めて日の浅いお弟子さんにとっては初舞台を踏むいい機会になったと思います。
子どもたちの踊りはまだつたないのですが、ご利用者の皆さんにはそんなところがかえって愛らしく感じられ、とても喜んでおられました。
2018.10.25 | 歳時記
今年の夏は40℃を超える酷暑にみまわれましたが、20日当たりから少し過ごしやすくなりました。
8月25日午後4時30分。
豊寿苑の職員駐車場の空を見上げると、トンボが大群となって飛んでいました。
息子は「たぶんアキアカネじゃないか」と言っていましたが、体色が黄色っぽいので調べてみたらウスバキトンボとわかりました。
ウスバキトンボは、最も一般的に見られるトンボで、お盆の時期に多くなることから別名「ショウリョウトンボ(精霊トンボ)」と呼ばれているそうです。
もともとは熱帯・亜熱帯で生息するトンボだそうで、これほどの大群を始めて目撃したのには、やはり夏の暑さが影響していたのかもしれません。
2018.10.25 | 歳時記
8月19日(日)午後6時『豊寿苑夏祭り2018』開催。
医療機関や福祉施設などがやっているそんじょそこらの夏祭りとはスケールも内容も違います。
利用者とその家族、スタッフにボランティアなどの関係者だけでおこなわれる内輪受けの祭りではなく、地域の人たち、なかでも子どもたちがワクワクしながら足を運びたくなる夏祭りにしたい、というのが第1回からの理念です。
そんな子どもたちの中に50年前の私がいます。
24回目となった今年は、天候に恵まれたこともあり、数え切れないぐらい大勢のみなさんにお越しいただけました。