毒と薬

「紫雲たなびく」夜明けの大山川

8月も今日で終わりというのに日中33℃真夏日の予報。

とはいえ、早朝はずいぶん過ごしやすくなってきたので1日おきぐらいのペースでランニングするようになりました。

日の出は5時20分ぐらいなので、だいたい、その1時間前に自宅をスタートしました。

星の下、大山川沿いの真っ暗な緑道を北へ30分ぐらい走ったところで、ようやくあたりが白み始めました。ちょうど5km。
ここから川筋を少しそれて、一面に広がる田んぼのなかを真っ直ぐに伸びる用水路沿いの農道を東に向けて走りました。

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見上げれば明けの明星である金星が輝き、視線を落とすと弥勒山(みろくやま)・大谷山・道樹山が稜線を赤く染め始めました。

すこし明るくなるにつれ、山々の真上の空に逆くの字型に伸びる帯雲があらわれて、世にも美しい紫色に染まっていました。

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浄土思想では、臨終の時、阿弥陀如来が紫雲(しうん)に乗ってお迎えに来られるといいます。
「紫雲たなびく」というように、これはありがたい瑞兆とされ、まさかお目にかかれるとは思ってもいませんでした。走りながら、思わず手を合わせ拝んでしまいました。

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この現象は、日の出の“赤”と空の“青”とが混じり合い、雲をスクリーンとして紫色に染めたせいだと思います。それは5時6分から5時11分のわずか5分間だけでした。

折返しの「ホタルの里」手前でキバナコスモスを撮った5時29分には、ご覧のとおり、雲は薄い朱色がかっていました。

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コロナ以前は各地で開かれるフルマラソンやウルトラマラソンの大会に出場していいタイムを出すことが喜びでしたが、現在はこのように、人も車もほとんどいない夜明け前、大山川沿いの緑道を一人っきりで自然と向き合いながら20km、約2時間かけてランニングすることがなによりもの癒やしであり喜びになりました。

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2023.08.31 | マラソン